分析化学を薬学系と臨床検査技師の教科書で比べてみた
薬剤師
=臨床検査技師の超上位互換
くらいの気持ちでアンナチュラルを見てました
受験資格のところを見ると長々書いてあります
要は薬剤師も臨床検査技師の国家試験を受けられるという事ですね
薬学部は+αで臨床検査の学生より
勉強する内容がたくさんあります
だから、超上位互換です
実は臨床検査技師の役として2人いらっしゃったんですが
1人は設定としては書いていないので
わかりませんが
1人は設定として薬学部卒
そんなこと言われると、気になっちゃうので
薬学系の教科書を盗み見てみました
今回、比べたのは以下の2つの教科書です
主に分析化学がメインですね
ひとまず、ここまで書きました笑
二、三日以内には書きます
※20180803に書き足し
- 構成の違い
- 当然の違いとして認識した事
- 利用方法の提案
のポイントに絞って纏めたいと思います
(ここから薬学の方を分析化学、臨床検査の方の方は臨床化学と呼びます 紫色の文字は内容にはあまり関係ありません)
1.構成の違い
分析化学は4つの区分に分けられます
①分析化学総論 10p 程度
②化学反応の基礎 70p 程度
酸塩基平衡、錯体・キレート平衡、沈殿平衡、酸化還元平衡etc
③各分析法 130p 程度
定性分析
電磁波分析法(紫外可視光吸光、蛍光、原子吸光・原子発光、赤外吸光、旋光度、X線、核磁気共鳴スペクトルまで)
質量分析法
電気分析法
④臨床分析、薬毒物分析 50p程度
免疫測定法、酵素分析法、ドライケミストリー、画像診断技術(X線、核磁気共鳴イメージング、、核医学画像診断、超音波診断法)
臨床化学の方も区分は4つでいいと思います
①臨床化学総論 40p程度
メインは精度管理と臨床化学に特徴的な分析標準系について
②各分析法の基礎 100p程度
Ex)分光光度法(化学的、酵素的分析法、酵素活性測定法)、免疫化学分析法、電気化学分析法、炎光光度法及び原子吸光分析法、電気泳動法、クロマトグラフィー、自動分析
③各生体物質の分析法 220p程度
糖質、タンパク質、非タンパク性窒素、脂質とリポタンパク、酵素、電解質と微量元素、ホルモン+代表的な物質の分析法まとめ
④臓器機能評価と病態 60p程度
肝機能、心・循環機能、腎機能、内分泌機能、酸塩基平衡機能、骨代謝機能、炎症、腫瘍マーカー、栄養、血中薬物モニタリング
2.当然の違いとして認識した事
分析化学の方は基本的に医薬品の品質管理を目的としている。
しかし血液などの生体試料を扱う臨床化学はただの分析化学よりも
より高感度で、迅速かつ多数を同時にこなさねばいけない
なぜ臨床化学にそこまで求められているかというと
1.生体環境という複雑な成分のバランスで成り立っているものを相手にするから
2.そこから得た情報は診療活動に欠かせないものになっているから
(薬も、何度も試験を行ってから薬として売られるから、精度は重要だけど
臨床の現場では、悠長に時間を掛けていられる訳ではないってことかな)
臨床現場での必須条件
<正確、精密、迅速、簡便、微量>
が重要な訳です
血清のような複雑な化学成分からなる生体材料にその正確さを保証するには、異質な概念と独自の分析化学的理念の構築が必要であった。
(臨床化学検査学 第3版 4p)
上記の異質な概念と独自の分析化学的理念については臨床化学の①に30pほど割かれています
3.利用方法の提案
当然ですが、分析化学で概要を把握してから
臨床化学を学ぶのがベストですよね(・ω・`)
カリキュラムはどのようになっているか調べてませんが
分析化学の基礎について、この本か、又は別の本で読んでおいても損はしないと思います
なぜかと言うと、、、臨床化学の方はただ読んでると眠くなってしまいそうだからです笑
ページの端から端まで文字が並んでいます
その点、分析化学の方は見開き5㎝ほどの空欄に適宜、語の注釈が書かれています
内容も臨床化学の方は網羅的ではありますが、話があっちこっちに行ってる印象で
分析化学の方は、ゆっくり一つずつ教えてくれている感じがします
本質的な理解の為に、色々と本を跨がないといけないですね
※また、一通り読んで何か気になることがあれば書くかもしれません